アールヌーボーの特徴

アールヌーボーの特徴

 

アールヌーボーは、格式を重んじる歴史主義とは異なること提唱するために、あえて日用品の装飾を領域として、その中で過去の様式も含めて自由な創作をするようになりました。

 

こうしたスタンスから、素材としては鋼やガラスのような新しい素材と木や石など古くからの素材と自由に組み合わされ、アールヌーボーの芸術家はそれぞれの素材の持つ良さを最大に引きだすような探求を推進したのです。

 

その点でブリュッセルにあるタッセル邸はまさにそうした中からできた建築であり、ブルジョア階層の間では大変な人気となったわけです。

 

多層のガラス工芸、金物工芸の組み合わせ模様を施した階段の手すりなどは斬新で、うねりのある木の家具なども、自然界に刺激された革新的なフォルムとなって登場しました。

 

又、依頼者の意向に応じて手頃な価格であっても芸術性を取り入れることが可能な点も好評で、アールヌーボーは数多くのパトロンを持つことになり、選ばれたブルジョア階層での需要は着実に広がっていったのです。

 

モチーフは自然界の花、草、樹木、昆虫、動物などがよく使用され、住居の中に美を取り入れることと、鋼の使用による建築物の高度化を両立し、摩天楼までもがアールヌーボーの建築物として実現するに至りました。