アールヌーボーの特徴

アールヌーボーのはじまり

 

アールヌーボーの基礎となる要素は、ヴィクトリア女王がイギリスの統治をしていたいわゆるヴィクトリア朝時代のイギリスが舞台となっており、アーツ・アンド・クラフツというデザイン運動の発展と、イギリスの思想家ウィリアム・モリス氏や評論家ジョン・ラスキン氏の論文として、まず登場しました。

 

彼らの論文は、著しい工業化の進行に伴う創造性の欠如を厭っているのが特徴で、人々が使うも製品のフォルムの真正性の大切さを訴え、自然界のモチーフを研究し、より洗練されたフォルムの復興を強く勧めたのです。

 

特にフランスでは、人間の生き方を探求するモラリスト的な捉えられかたをして、より合理的なものとなって表現されていきました。

 

ネオ・ゴシック運動の先導者として有名なウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ・ル・デュクは、当時の現代的な素材の代表である鉄などにも肯定的で、中世のゴシック建築の構造をベースとした装飾的で美的な機能の表現を推進し、以後のアールヌーボーの建築家に多大な影響を与えたのです。

 

そういう意味ではネオ・ゴシックとアールヌーボーはかなり共通点があるともいえます。ちなみに、ヴィクトール・オルタが1893年にブリュッセルで完成させたタッセル邸がアールヌーボー様式で最初の建築物であるとされています。