アールヌーボーの特徴

アールヌーボーとは

 

美術品に少しでも興味のある人ならば、アールヌーボー様式という言葉を聞くことがよくあると思います。

 

アールヌーボーとはフランス語のArt Nouveauのことで、1800年代の後半から1900年代の初期にかけて広まっていった美術活動です。

 

ヨーロッパを中心にスタートし、以後は国際的な美術運動にまで発展した様式で、意味は直訳すれば「新しい芸術」という意味です。

 

主に使われるモチーフは花や植物など有機的なものならではの自由曲線の組み合わせに特徴があり、それまでの古典的な様式に囚われない装飾性や、当時では斬新な鉄やガラスなどの素材が利用されていました。

 

アールヌーボーの活動分野は単に絵画ということに留まらず、建築物、工芸品、グラフィックデザインなども含む広い範囲にわたったので、一般生活の中にまでアールヌーボーが浸透していったのです。

 

アールヌーボーという言葉自体は、パリの美術商であるサミュエル・ビングの店の名前が発端で一般化したといわれており、各国によって様式の定義は若干異なる部分もあるのですが、ほぼ世界共通の言葉と言っても差し支えないでしょう。

 

サミュエル・ビングは、ドイツ人ですが、日本の美術や芸術にも造詣が深く、これらを欧米諸国に広く紹介したという功績もあります。